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アヴィニヨン演劇祭(2) [舞台空間デザイン]

先週末、アヴィニヨンから帰国しました。
無事に初日を見届けることができましたが、
ギリギリまで本当にいろいろなことが起こりました。

アンテルミタンのストライキによるフェスティバル中止の危機は回避できましたが、
4日に限定的ストライキが行われたおかげで仕込みがストップし、
以降は連日深夜を超えて早朝まで準備が続きました。

そして初日前日のリハーサル直後に襲来した豪雨(+雷)により、
会場までの山道が通行不能となり、無念の公演中止。
20年以上の石切場の歴史の中で公演中止は初めてのことのようです。

それでも気を取り直し、豪雨によってダメージを受けた舞台や衣装、小道具を修復し、
新たな雨対策も施して7月8日に一日遅れの初日が無事に幕を開けました。

maha02.jpg
(撮影:新良太)

1000人の観客席が埋め尽くされ、
どの顔もこの公演を心待ちにしていたという期待感でいっぱい。
その光景を目にしただけで、ようやくここまで来たか、という感慨で胸がいっぱいになりました。

午後9時過ぎに日が暮れ、夕闇が徐々に濃くなって、
月明かりが舞台を照らし始めた午後10時、
舞台正面に設けられた演奏舞台に並んだ演奏者(俳優)達の、
全身を叩きつけるようなパーカッションで幕が開けたその瞬間、
全身に鳥肌が立ちました。
リハーサルで何度も繰り返してきた場面ですが、
満場のお客様とともに共有するその瞬間は全く違うものでした。

客席の3m頭上に浮かぶように設けられたリング状の舞台に、
そそり立つ岩壁を背景に絵巻物のように神話の登場人物が現れては消えていきます。

maha01.jpg

2時間足らずの公演はあっという間に終わり、
最後の演奏者がただ一人残り、
魂を込めたパーカッションの最後の一音が岩壁にこだました後、
割れんばかりの拍手とともに、総立ちのスタンディングオベーション。
それはおそらく、一生忘れられない幸福な瞬間でした。

この機会を与えてくれた全ての人、
一緒に造り上げたすべての仲間、
この場を共有してくれた全てのお客様に深く深く感謝いたします。

※今回の公演の空間デザインについては下記サイトにて詳しくご覧いただけます。
 随時写真も追加していきますのでご覧ください。
http://www.kiz-architect.com/works/mahabharata2014/

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