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屋根下地クライミング [ガス会社のパッシブソーラー・オフィス]

組み上がった鉄骨の骨組みに屋根の下地を取り付ける工事が始まっています。
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この建物は、太陽の熱を利用して、呼吸をするように自然通風を行うための空間
「ソーラー・サーキット」を備えています。
ソーラー・サーキットはトラス構造によって生まれた小屋裏空間を利用するため、
その煙突効果(高低差による上昇気流)をより得られるよう、
屋根の傾斜角を45度とかなりきつくしてあります。

その屋根を取り付けるのに、特殊なドリルビスを使用します。
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このドリルビスを使って構造合板を鉄骨の骨組みに強固に打ちつけて
屋根全体の面剛性を高めていく構造となっているのです。
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ほとんど壁のように立ちあがる屋根に次々とドリルビスを打ちこんでいく大工さん
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「ほとんどロッククライミングだよ!」と言いながらも
軽快に作業を進めてくれました。


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電光石火の鉄骨建て方工事 [ガス会社のパッシブソーラー・オフィス]

いよいよ鉄骨の建て方工事が始まりました。

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・・・と思ったらたった一日でここまで出来上がりました!
午前中に搬入を済ませ、
建て方作業は実質半日ですので驚異的です。

とはいえいわゆる「突貫工事」の人海戦術ではなく、
4人のトビさんと親方がチームとなり
工場で精密に製作されたパーツをひとつひとつ
丁寧に組み上げていきます。
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これも全て0.1mm単位の図面に忠実な部材の製作と
基礎周りの入念な施工管理のおかげです。
上野ハウスと森下鉄工のタッグチームに拍手!
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雨の日を挟んで3日目には、
2フロア500㎡の建物のほぼ8割の骨組みが組みあがってしまいました。
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鉄骨検査 [ガス会社のパッシブソーラー・オフィス]

愛知県の田原市にある森下鉄工さんへ
建物の骨組みとなる鉄骨の製品検査に行ってきました。
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今回の建物は鉄骨造ですが
H鋼などの重量鉄骨を使った通常の鉄骨造とは違い、
L型アングルや溝型鋼などの軽量鉄骨を組み合わせて
より軽くて強い構造体を目指しています。
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構造設計を担当したのは
FLAMMEでもご一緒したリズム・デザインの中田さん。
こんかいの建物に最適なこの工法を提案してくれました。

鉄骨造を「軽くつくる」ことは使用する鉄の量を減らすということです。
当然、環境に対する負荷を軽減することになり、
建設コストを抑えることにもつながります。
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しかもその姿がカッコいい!

何故この構造が「軽いのに強い」かはまた別の機会にご説明するとして
小さな部材を束ねるようにして組み上げていく今回の構造は
その製作の精度が半端なく要求されます。
その精度を確保するために施工図を作成してもらうのですが
森下鉄工さんとの施工図の打合せは
ここまでやるかというくらいに細かなところまで詰めていく作業となりました。
通常は現場の判断に任せてしまうような
下地材の取り付け位置や寸法まで
森下鉄工さんは全てのパーツについて
あいまいなところを残さないように打合せにつきあって下さいました。
そしてなにより、その作業をとても楽しんでいるように見えました。

信頼できる業者さんとのお仕事は本当に楽しくてやりがいがあります。

もちろん、検査は何の問題もなく合格!
広い工場に組み上げられた合わせ柱やトラスを前に
俄然期待が高まります。

鉄骨の建て方工事はもうすぐです。
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基礎が肝心<配筋検査> [ガス会社のパッシブソーラー・オフィス]

三重県亀山市の現場で工事がいよいよ始まりました。

500㎡程のガス会社のエコ・オフィスです。

基礎の配筋が終わったので配筋検査を行いました。
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川沿いの軟弱な地盤を考慮して、
地盤改良を行った上にコンクリートの耐圧板を全体に打ち
軽量鉄骨を組んだ極力軽い建物をその上に乗せる計画です。

設計通りに配筋が組まれているか検査を行い、
その後は夜遅くまで施工図の打合せが続きました。

現場にいると時間があっという間に過ぎていきます。
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実施設計完了! [ガス会社のパッシブソーラー・オフィス]

一ヶ月近くもブログを更新せず、ご無沙汰してしまいました。

と、言うのも
昨年から取り組んできたガス会社のオフィスの実施設計が大詰めを迎え、
夏の間中てんてこ舞いだったのです。

嬉しいことに新しいプロジェクトのお話もいただき、
えいごやさんのグッドデザインエキスポ出展もあって
あまりの忙しさに嬉しい悲鳴を上げる暇もありませんでした。

ようやく、実施設計図書をまとめ、
施工会社に見積もりをお願いして、一段落がついたところです。

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まだまだ、これから見積もりの調整や確認申請など
気は抜けませんが、
少しずつでもブログは復活させて
新しいプロジェクトのお話などもさせていただきます。
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呼吸する建築をめざせ [ガス会社のパッシブソーラー・オフィス]

設備・構造設計者との
コラボレーションによって導き出されたのは

単純な切妻屋根によって生まれる
上下の空間の温度差を有効活用し
呼吸をするように
空気を取りこみ、循環させ、吐き出すような建物。

特殊な設備を使わずに
エネルギーを有効活用する建築にしたいと思っています。

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構造システムは
RCと木造のハイブリット構造で
躯体蓄熱システムを盛り込む案と

軽量の鉄骨造を外断熱で包み
エネルギー効率を高める案

2案を検討した結果
躯体蓄熱は、終日人がいる住宅などに
もっとも適した方法だということで、
オフィスという利用形態や
イニシャルコストパフォーマンス
の観点から鉄骨造案に落ち着きました。

正直、RC躯体蓄熱にチャレンジしてみたい気持ちもあったのですが
クライアントにとってのメリットを最優先した決定なので
これで良かったと思っています。

機会があればにぜひ
RC+木造の躯体蓄熱システムによる
住宅の設計にトライしてみたいと思っています。

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頼りになるパートナー [ガス会社のパッシブソーラー・オフィス]

エコ・オフィスの設計では
基本設計の初めの段階から
設備・構造の設計事務所と協力体制を組んでいます。

設備設計はスタジオランプの後藤氏に

構造設計はリズムデザインの中田氏に

それぞれの分野で活躍され実績も豊富なお二人。
どちらも、専門分野に閉じこもるのではなく
異なる分野に対する興味や関心が高く
コラボレーションに対する積極的な姿勢が共通しています。

通常の設計でも
外部の事務所と共同体制をとることはあるのですが
たいていは、全体を統括する建築設計事務所が
設備・構造それぞれのパートナーと
別々に打ち合わせを進めていきます。

今回は、
建築・設備・構造が
イーブンなパートナーとして
意見を交換することが重要なため
3者で打合せを重ねていくスタイルをとっています。

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カッコよくデザインされた建物に
後付けで環境対応機能を加えていくのではなく

建物の形や構造そのものが
環境というコンセプトに合致したものを目指しているのです。

建物の内部を空気が効率よく循環する形状を考え
その形状を支える構造形式を検討し
構造システムが熱環境に与える影響について議論し
またそれをデザインにフィードバックしていく。

頼れるパートナーとの刺激的なやり取りを通じて
一歩一歩、目指す頂きに近づいていくという
手ごたえを感じています。




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ひたすら 1/100模型 [ガス会社のパッシブソーラー・オフィス]

設計の初期段階を基本設計と言います。

今はその真っ最中。

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1/100の模型を毎日のように作っています。
このスケールで確認することは
空間の骨格となる部分。
細かな部分までは検討できませんが、
詳細を省いたスケールでこそ見えてくるものがあります。

建物のプロポーションや敷地とのバランス、
内部空間の構成や開口部からの光のまわり方などを
建物全体の有り様として考えていきます。
この段階で、空間の心地よさや
建物としての佇まいが
「うまくいっている」かどうか
直感的にですが見極めができます。

さまざまなパターンを検討しては
少し変更してまた作る。
時には全然違ったパターンも試してみる。
そんな検討を繰り返しています。
気がつくとずいぶんたくさんの模型が並んでいます。

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初めにつくった模型から順を追ってみていくと
いったんは全く違う形になったものが
ぐるっと一回りして、また元に戻ったりしています。
傍から見るとほとんど同じに見える模型もあります。
その時々の、迷いや葛藤から
突然のひらめきまで、
すべてこの中にこめられています。

お施主さんにお見せできる模型は
これだけ作っても一つか二つです。

一見、果てしなく無駄なことをしているようですが、
紆余曲折しながらも少しづつ進んでいくことで
その建物の「核」のようなものが見えてくるのです。

プロジェクトに取り掛かった段階では
おぼろげなイメージだったり
偶然ひらめいたものだったのが、
こうして徐々に形になっていく中で
設計者の中にも、建物として何が大切で、
空間がどうあるべきなのか
確信のようなものが生まれてくるのです。

地道ですが、絶対に省くことのできない作業です。
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「環境」と「心地よさ」について考えています。 [ガス会社のパッシブソーラー・オフィス]

ガス会社のオフィスの設計が、現在進行中です。
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エネルギー企業のこれからの在り方
環境に対する責任について
真剣に取り組んでいる会社の皆さんが
気持ちよく働けるオフィスとはどうあるべきか?

自然の力を無理なく活用し
余計なエネルギーを極力つかわないオフィス。

「究極のエコとは『我慢』」であると
聞いたことがあります。

環境のために、皆が少しづつ
「我慢」することが必要なら、
その「我慢」が苦にならないような
建物や空間を作りたいと思っています。

エアコンから吹き出す均一でムラのない「快適さ」に頼らずとも
自然の中に本来、心地よさは織り込まれているはずです。

夏の木陰や、冬の日だまりに。
春のそよ風や、秋の静けさの中に。

そんな心地よさを発見し
それを楽しむことができるような空間を目指して
スケッチを描き、図面を起こし、
毎日、模型をつくっています。

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