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ひたすら 1/100模型 [ガス会社のパッシブソーラー・オフィス]

設計の初期段階を基本設計と言います。

今はその真っ最中。

KMY003.jpg

1/100の模型を毎日のように作っています。
このスケールで確認することは
空間の骨格となる部分。
細かな部分までは検討できませんが、
詳細を省いたスケールでこそ見えてくるものがあります。

建物のプロポーションや敷地とのバランス、
内部空間の構成や開口部からの光のまわり方などを
建物全体の有り様として考えていきます。
この段階で、空間の心地よさや
建物としての佇まいが
「うまくいっている」かどうか
直感的にですが見極めができます。

さまざまなパターンを検討しては
少し変更してまた作る。
時には全然違ったパターンも試してみる。
そんな検討を繰り返しています。
気がつくとずいぶんたくさんの模型が並んでいます。

KMY002.jpg

初めにつくった模型から順を追ってみていくと
いったんは全く違う形になったものが
ぐるっと一回りして、また元に戻ったりしています。
傍から見るとほとんど同じに見える模型もあります。
その時々の、迷いや葛藤から
突然のひらめきまで、
すべてこの中にこめられています。

お施主さんにお見せできる模型は
これだけ作っても一つか二つです。

一見、果てしなく無駄なことをしているようですが、
紆余曲折しながらも少しづつ進んでいくことで
その建物の「核」のようなものが見えてくるのです。

プロジェクトに取り掛かった段階では
おぼろげなイメージだったり
偶然ひらめいたものだったのが、
こうして徐々に形になっていく中で
設計者の中にも、建物として何が大切で、
空間がどうあるべきなのか
確信のようなものが生まれてくるのです。

地道ですが、絶対に省くことのできない作業です。
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