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オペラ「ルサルカ」芸術祭賞受賞! [舞台空間デザイン]

嬉しいニュースが届きました。

空間構成を担当したオペラ「ルサルカ」が
平成29年度文化庁芸術祭賞 優秀賞(音楽部門)を受賞!

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(撮影 新良太)

日生劇場の方々の意欲作であり
何より山田マエストロとオーケストラ、
そしてオペラ歌手の皆様の素晴らしい音楽が受賞の理由ですが
「空間を活かした演出」と受賞理由にあり
演出家の宮城聰さんより空間づくりを一から任されていた木津は
スタッフとともに喜びました

30年前、東大駒場小劇場で舞台美術を始めた学生の頃から
村野藤吾さん設計の日生劇場の空間に憧れていました。

もともと海をイメージした日生劇場の壁。
ここで人魚姫のオペラをやる。
それならと、さらに舞台上にも壁からの連がりを伸ばし
お客様が海の中にオーケストラも一緒に包まれているようなデザインに
すぐに決めました

照明は、有名な照明デザイナーの沢田祐二さん。
「月光の場面では、月の光そのものを表現するのではなく、人魚姫ルサルカから見た月明かりに照らされる湖面のきらめきを舞台に表現してほしい」
などの細かな視覚的要望にも快く応えていただき、感謝しています。

オーケストラの弦が動く様子をさざなみに例えて
視覚的にも演出に取りいれたアイデアなど
オペラを知り尽くした日生劇場の方々にも気に入っていただき
空間に関するアイデアの実現に向けて
一緒に作り上げる時間はとても創造的な前向きな空気に満ちていました。

プランを面白がってくださった日生劇場の皆様や演出家宮城さん
一緒に舞台美術を作り上げてくださった劇場スタッフの皆様
照明家の沢田祐二さんとオフィスのスタッフの皆様
全ての衣装をデザインされた高橋佳代さん
山田マエストロ、オペラ歌手やご出演、全てのスタッフの皆様とともに
素晴らしいお仕事をさせていただいたんだなあと
改めて感謝いたします

またぜひ再演してたくさんの方々に
日生劇場オペラ「ルサルカ」を味わっていただきたいです
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オーガニックカフェ Chikyu [設計事務所の日常]

事務所近くにある
オーガニックカフェ Chikyu で
スタッフの田中さん、坂牧さん、妻と娘とランチ

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ちょうどオーナーの書道家 武田双雲さんも
ランチにいらっしゃって
ランチに使われているオーガニックの素材や
オーガニックを通じた出会いについて
お話していただき
より美味しくカレーをいただきました

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今年模型製作で活躍してくれた大学生
アヴィニヨン演劇祭の模型を作ってくれたMさん
日生劇場「ルサルカ」の模型を作ってくれたTさんは
卒業制作で参加できなくて残念でした。

今年もあと少し。
来年も、スタッフそれぞれが、忙しい中にも、設計の仕事をワクワク楽しみながら
また一緒に仕事をしていってほしいです。
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オペラ「ルサルカ」 千秋楽 [舞台空間デザイン]

日生劇場でのオペラ『ルサルカ』が、
無事に千秋楽を終えました。
ご来場頂いた皆様、本当にありがとうございました。

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この写真は有名な「月に寄せるアリア」が唄われる一幕の冒頭シーンです。
水面から差し込む月の光を、ルサルカの視線を共有する様に、客席から見上げる。
一年前に書き起こしたスケッチがそのまま形になりました。
実現するためにサポートしてくださった皆様に心より感謝いたします。

オペラ『ルサルカ』
1月27日(土)静岡公演があります。
指揮者の山田和樹さん始め、素晴らしいメンバーでの公演は
オペラが初めての方にもお楽しみいただけます。
お近くの方はぜひご覧ください。
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日生舞台フォーラム 舞台空間構成 [舞台空間デザイン]

11月8日。
オペラ「ルサルカ」の公演にさきがけ
日生劇場にて、日生舞台フォーラム2017 があり
パネリストの一人として
今回「ルサルカ」の舞台空間デザインについてお話してきました。

今回は過去最多の400人以上お客様がいらっしゃったそうです。
10月歌舞伎「マハーバーラタ戦記」を見て
同じスタッフ陣だから
ということで来てくださった学生さんたちもいらして
嬉しい限りです。

舞台上に登ったお客様は、
みなさんまず最初に客席の写真を撮っていらっしゃいました。
舞台上からみるこの劇場の客席は、
普段客席から観るのとも違い、特別な美しさをたたえています。
戦後の日本建築空間の中でもこの空間の美しさは別格にして絶後と言えるでしょう。
村野先生のデザイン力も勿論の事、この空間を実現した施工者の情熱が、彫刻のように刻み込まれ、時を超えて訴えかけてきます。

学生の頃から憧れて憧れて、憧れ尽くしたこの空間で
舞台デザインをさせて頂く事ができて本当に幸せです。
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コンクリート墨出し [2世帯+共同住宅]

都内の共同住宅の現場にて
根切りが終わり捨てコンクリートに墨出しがされています。

凛とした水平面が現れると
新たな建築の面影が立ち上がるようです

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樹齢200年のウォールナットで作るキッチンカウンター [2世帯+共同住宅]

お客様のこだわりがたくさん詰まった
アイランドキッチンのカウンター材を見に新木場へ来ています。

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お客様が選ばれたのは節穴が大きく空いた、とても個性的な木目のウォールナット。
樹齢約200年だそうです。

これだけ癖が強いと加工後の暴れをどう制御するか、思案のしどころです。
しかし、それも含めた生命力を丸ごと楽しめる、世界に一つしかないキッチンを作ります。
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地鎮祭 [2世帯+共同住宅]

水曜日、天候に恵まれる中、地鎮祭が執り行われました。
厳かな式もお子様が参列されていることで、終始和やかで温かな雰囲気でした。

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既存の建物を壊し、新しく2世帯住宅と賃貸住宅を建設予定です。

既存の建物は、お施主様ご家族だけでなく、ご親族ご友人など、にぎやかに集まる家だったそうです。
これから作られる建物も、お施主様のご家族と、新しく賃貸住宅に暮らす人達が中庭を囲んで、緩やかに繋がれるような環境を目指しています。

お施主ご家族やご親族様の想いをそれぞれ伺って
みなさまの期待に応えられるよう
気を引き締めて工事監理にかかろうと決意を新たにしました。





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歌舞伎「マハーバーラタ戦記」 空間デザイン [舞台空間デザイン]

京都へ出張です。
夕方、打ち合わせの合間に時間があったので、近鉄特急に飛び乗り、
東大寺法華堂(三月堂)に来ました。
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奈良時代創建、1000年以上の歳月を重ねた荘厳な空間。
あちこちに修繕をした後も既に風化して、その時間の長さを物語ります。

曼荼羅を立体化した様に幾重にも重なる同心円状の階層空間は、
学生時代に調査した、南インド・ケララ州の木造ヒンズー寺院にも通じるものがあります。

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このたび、芸術祭十月大歌舞伎 新作歌舞伎「極付印度伝 マハーバーラタ戦記」の空間構成を担当することになりました。

マハーバーラタの地から遥か離れた奈良の都に、海を越え、時を超えて受け継がれた、文化の波の波打ち際に、自分が立っているのだと思いました。
そしてこの波を更に先へと送り届ける事に、少しでも役に立つことが出来ればと思います。

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講演会無事終わりました [舞台空間デザイン]

昨日の講演にたくさんの方にご来場いただきました。
雨の中脚をお運びいただいた皆様、本当にありがとうございました。

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会場からは、本質を突いた質問をいくつもいただき、
とても楽しく、刺激的な時間を共有することが出来ました。
私にとっても、演劇と建築についてまとまった話をすることは、
自分のスタンスや考え方を整理するとてもいい機会になりました。
会を主催頂いた日仏演劇協会、会場をご提供いただいたアンスティチュフランセ東京、写真資料を提供してくださった、カメラマンの新良太氏とSPAC、皆様に心より感謝申し上げます。

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会場でもご案内しましたが、
京都に小劇場を作るクラウドファンディングは
残りあと2週間を切りました。

大台の1000万円突破は目前ですが、
それでも目標金額までまだ開きがあります。
少しでも多くの方に、このプロジェクトの意義を知って頂き、
応援いただければ幸いです。

まずは、こちらのクラウドファンディングのサイトをシェアいただければ嬉しいです。

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講演「アヴィニヨン演劇祭 『マハーバーラタ』『アンティゴネ』の舞台空間を振り返って」のお知らせ [舞台空間デザイン]

9月7日にアンスティチュフランセ東京にて、
アヴィニョン演劇祭の二つの野外劇の空間デザインについての
講演会をさせて頂くことになりました。

広大な南仏の自然、切り立った崖に包まれた石切り場の廃墟での
『マハーバーラタ』(2014年 SPAC 宮城聰演出)
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(写真撮影:新良太)

かつて世界的な権威の象徴であり、
800年の時の流れを刻み込んだ巨大な壁面に囲まれた
法王庁中庭での『アンティゴネ』(2017年 SPAC 宮城聰演出)
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(写真撮影:新良太)

どちらも、さすがに世界に冠たるアヴィニヨン演劇祭を代表する会場だけあって、
素晴らしい、けれども同時に非常に難しい野外空間でした。

1年という準備期間の間にどのようにアイディアが生まれ、
その途方もない挑戦を実現するために、どれだけの人が関わってきたのか、
空間デザイナーとしてお話しできればと思っています。

日時:2017年9月7日(木)19時〜21時
会場:アンスティチュ・フランセ東京 エスパス・イマージュ
入場無料・予約不要
主催:日仏演劇協会
協力:静岡県舞台芸術センター(SPAC)

会場までのアクセス等、詳細はこちらをご覧ください。
http://www.institutfrancais.jp/tokyo/events-manager/conference-junpei-kizu/

皆様のご来場を心よりお待ちしております。
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フランスでの空間デザイン『アンティゴネ』初日 [舞台空間デザイン]

フランス アヴィニョン演劇祭2017のオープニングを飾る作品
『アンティゴネ』が無事に幕を開けました。

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大きなトラブルも無く、天気にも恵まれました。
2000の客席を埋め尽くすお客様は、毎年この瞬間を楽しみにして来ておられます。
それだけ目の肥えた、ある意味とても厳しい批評の眼差しの洗礼を受ける事になります。
日本の宮城聰さんが、アジア人の演出家として初めてオープニング公演を任された作品としても
賛否両論、大注目の作品となり、厳重なセキュリティチェックの中、30分押しの開演。

生演奏でエンディングを迎え、一瞬の静寂の後、大きな拍手とスタンディングオベーション。

「法王庁の初日で全席スタンディングオベーションは、普通はあり得ません。
これは誇りに思うべき出来事です。」
とは、あるベテラン現地スタッフのお言葉。
難しい作品であったに関わらず、想像以上の嬉しい初日の反応を見届けて、日本に戻りました。

フランスではル・モンド紙を初め、好意的な劇評を掲載していただきました。
フィガロには、木津潤平の空間デザインと名前を挙げて紹介していただき、嬉しい限りです。

こちらが、法王庁で「アンティゴネ」をすることが決まったときにイメージが浮かんだ最初のスケッチです。

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宮城聰さん演出作品での舞台空間デザインの場合、特に近年、演出がまだほとんど白紙に近い段階で、会場となる場所と作品からイメージを膨らませ、まず空間演出としてのデザインを先に提示し、そこから演出が始まっていく、という少し特殊なやり方を求められています。

世界遺産である14世紀の建築を活かした劇空間を作り上げる機会をいただいたこと、様々なハードルを一緒に乗り越えた日仏舞台スタッフの皆様、また現場でしか調整できない細かな調整にお付き合いいただき、一緒に空間をつくりあげてくださった演出家、スタッフの皆様、俳優陣の皆様に、心より感謝しております。
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南仏 アヴィニヨン1日目 [設計事務所の日常]

南仏 アヴィニョン1日目
アヴィニヨンに到着するなり、スーツケースを持ったまま
アヴィニヨンフェスティバルのオープニング会場 
教皇庁の中庭へ直行し、舞台の仕込みを確認。

あらかじめ現地スタッフが舞台全面に水を張る準備を進めてくれていたおかげで、
初日にほぼ石の配置も完了しました。
22時過ぎに陽が落ちた後に、
いよいよ、今回の「アンティゴネ」舞台デザインの肝とも言える影絵の確認。

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スクリーンはそびえ立つ30メートルの石壁。600年以上の年月が刻み込まれた荒々しい石肌に、
俳優の影が映りこんだ瞬間、全身に鳥肌が立つ様な興奮を覚えました。
フランス語の字幕もこの影絵に重ねる事で、言葉と身体が2次元の世界で融合し、
なんだか漫画の様でもあって面白いです。
情報が極端に削ぎ落とされるので、アナログでありながらデジタル的でもあります。
そして、影絵がある事で舞台の上で息づく俳優の生身の身体性が、更に強調された表現に繋がると良いな、と思います。

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小劇場への想い [Theatre E9 Kyoto]

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学生時代、私が舞台デザインを始めたのは、駒場小劇場。
大学寮の食堂を改装した、何もない箱の空間は、
客席も舞台も自由に配置できる、何でも出来る場所でした。
スケッチブックに描いた空間を仲間と一緒に作り上げ、
そこに最初の照明が灯された瞬間の興奮は、今でもはっきりと覚えています。
あの時の感動が、私の原点となっています。
お金もなく、経験も浅い若僧だった自分に、限りない可能性の扉を開いてくれた場所でした。
Theatre E9 Kyoto もその様な場所になってくれる事を願っています。

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Theatre E9 Kyotoにはカフェが併設される予定です。
ヨーロッパの劇場には大抵カフェやバーが併設されていたり、劇場の周りに集まっていたりします。
そこで、これから観る公演のワクワクを共有したり、観たお芝居の感想を語り合ったりするのです。
カフェでの楽しいおしゃべりも含めて、観劇という行為を楽しんでいるのだと思います。
日本でも、歌舞伎座や下北沢の劇場などではそういう楽しみ方をされていますね。
同じお芝居を楽しんだお客様同士が仲良くなって、どこの劇団が今面白い、とか、
次はあの演目が良いよ、などの情報交換が行われます。
そうして、肩肘張らずに演劇を楽しむ、という文化が育まれていく場となることを願います。

Theatre E9 プロジェクト アーツシード京都ホームページ はこちら

Theatre E9 クラウドファンディング は こちら

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記者発表 Theatre E9 Kyoto [Theatre E9 Kyoto]

本日、京都に小さな劇場をつくるプロジェクトの記者発表会が行われました。

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ダムタイプを輩出した京都の小劇場「アトリエ劇研」(元アートスペース無門館)が
今年8月に閉鎖することをきっかけに、
同劇場の芸術監督を務めるあごうさとしさんを始め、
京都を中心とした舞台芸術関係者が、アーツシード京都という社団法人を立ち上げ、
東九条にある築50年の倉庫兼工場をリノベーションして、
客席数100席の小劇場を作る計画を進めています。

劇場には現代アートの為のギャラリーやカフェも併設し、芸術を通じた人々の交流拠点として、
京都に生活する人、訪れる人双方が、
気軽に芸術と親しみ、人生を豊かにするきっかけを提供出来るような場所を目指しています。
プロジェクトを実現する為には資金集め、法規制、建物の補強など
多くのハードルをクリアする必要があります。
最も大きなハードルである、資金調達のためのクラウドファンディングも本日開始されました。

https://readyfor.jp/projects/TheatreE9Kyoto

演劇関係、京都に所縁のある方に、
そして広くみなさんに知っていただきたいと思います。
この情報を拡散していただければ幸いです。
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ウサギ椅子 [海辺で子育て]

ゴールデンウィークの出来事
1日だけ休みを確保して、近所の公園へ子どもの日イベントへ。
青空の下、材木の端材を使って即興的に作ったウサギの座椅子。

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背もたれが差し込み式になっていたりして、
思いつきで作った割には、いい感じ。
大人が座っても大丈夫。
ムスメも初めてノコギリやゲンノウを握ってとても楽しかった様子。
自分も気がつくと真っ赤に日焼けするほど、夢中になっていました。
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