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『マハーバーラタ』 奈良・平城宮公演 [舞台空間デザイン]

世界に一つしかない舞台が太古の都に降り立ちます。

2014年のアヴィニヨン演劇祭で、大好評を博した
『マハーバーラタ・ナラ王の冒険』が奈良・平城宮の遺跡にて復活上演いたします。
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アヴィニヨンの石切場に包み込まれる様にデザインされたリング型の野外劇場を
平城宮第二次大極殿跡地に再建し、
観客席がぐるりとステージに取りかこまれる
演劇空間が再び姿を現します。


石切場の崖の代わりに舞台の背景となるのは
悠久の時が流れる、太古の都の風景。

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古の都びとも、毎日仰ぎ見ていたことでしょう。
会場予定地選定の際、その候補には無かったこの地に足を踏み入れた瞬間、
「ここしかない!」という確信を感じました。

正面奥に三笠山を望み、そのふもとには正倉院。
インドの神話が、古代日本に流れ着いていたら、、、
という着想で作られたこの舞台に、
これ以上相応しい上演の地はないかもしれません。

日本国内での公演はしばらく予定しておりませんので
足をお運び頂く価値はあると思います。

公演情報
9月9日(金)~12日(月) 全て18:30開演

チケットお申込みなど、詳しい情報はこちらをご覧ください。
http://culturecity-nara.com/event_info/spac/

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ケ・ブランリーでの舞台空間デザイン [舞台空間デザイン]

いまパリのケ・ブランリー美術館で
演劇の舞台空間デザインの仕事をしています。

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ケ・ブランリー美術館の設計はジャン・ヌーヴェル、ランドスケープはジル・クレモン。
ルーブル、オルセー、ポンピドーに並ぶパリの美術館で、
アジア、アフリカ、南北アメリカ大陸のプリミティブな美術を扱う美術館です。
この建物の大きな特徴として、大きな庭や壁面緑化により、
植物と建物とをより積極的に関係させています。
10年前に空間デザインを担当したオープニングの時は、
庭園という趣だったのが、
10年の間に植物が大きくなり、小さな森の様です。
竣工当初は、建物の形が勝ちすぎていたのですが、
今や植物の方が勢いがあって、建物の存在感が相対的に小さくなり、バランスが改善しています。


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劇場へ通う途中にある
Saint Pierre de Chaillot
ロマネスクの教会にはゴシックの様な壮麗さはありませんが
分厚い石の壁を支えるアーチの素朴な力強さや、温かみのある暗さが好きです。
大小の正円アーチの重なりにより、いくつもの小空間が重なり合いながら大空間を形づくっています。
ディテールがシンプルな分、その空間構成の巧みさが際立ちます。



ケ・ブランリーの仕込みも
ようやく最終段階です。

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6月パリでの舞台デザイン [舞台空間デザイン]

今年6月
パリで公演される演劇作品
『イナバとナバホの白兎』
(SPAC 演出 宮城聰)
の舞台美術を担当しています。

実は10年前に
建築家ジャン・ヌーベルが設計した
パリのケ・ブランリー美術館内
クロードレヴィ=ストロース劇場の
こけら落とし公演
『マハーバーラタ』で空間構成を担当しました。
2014年には
アヴィニヨン演劇祭の石切り場での
『マハーバーラタ』の空間構成を行いましたが
フランスでの初めの一歩は
ケ・ブランリー公演でした。

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館長がこの舞台を気に入ってくださって
開館10周年記念として
委嘱されたのが
この新作『イナバとナバホの白兎』
です。

今回は
集団創作という形で脚本を練り上げていくので
脚本はまだ無い最初の段階に
まず最初に
フランス側へ送る空間デザインを作ってほしい
という依頼が舞い込みました。

10年以上かけて熟成した『マハーバーラタ』の後の新作公演。
6月の本番が
パリの観客にどう受け取られるのか
楽しみです。

5月21日~30日まで
舞台設営のためフランスへ出張します。
事務所は通常どおり
月曜~金曜までスタッフがおりますので
なにかございましたら
事務所へメールまたは電話にて
ご連絡ください。

木津へ連絡がとりたいという方も
contact@kiz-architect.com
までメールをお送りください。
木津、スタッフともにメールを確認しております。

*公演情報
会場/フランス国立ケ・ブランリー美術館 クロード・レヴィ=ストロース劇場
公演日程/2016年6月9日(木)~19日(日) 全10公演(月曜日は休演日)
 
*ケ・ブランリー美術館ウェブサイトでの公演案内はこちら(仏語)

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共通テーマ:演劇

『マハーバーラタ』駿府城公演 終了しました [舞台空間デザイン]

SPAC『マハーバーラタ ナラ王の冒険』
駿府城公園内仮設劇場での野外公演が、
無事千秋楽を終えました。

ご来場頂きました本当にたくさんのお客様に心より御礼申し上げます。

アヴィニヨン演劇祭のブルボン石切場という、
世界でも例のない特異な敷地の為にデザインされた、
リング状の舞台が客席を取り囲むという空間構成でしたが、
駿府公園の木立と、遠くに臨むビル群の夜景という、全く異なる背景を得て
この祝祭劇に新たな息吹が吹き込まれました。

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改めて、この空間デザインの持つ可能性、
原初的な歓びに繋がる普遍性を確認することが出来ました。
このことを、次なる創作への糧としていきたいと思っております。

ありがとうございました!


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『マハーバーラタ』 静岡駿府城・野外公演 [舞台空間デザイン]

昨年、アヴィニヨン演劇祭で大好評を博した
『マハーバーラタ』のリング型野外劇場が、
静岡駿府城の天守台跡にて復活します。

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巨大な石切場を背景にしたこの前代未聞の演劇空間は、
フランスのメディアからも大変な好感を持って取り上げられました。
「現代の舞台芸術空間のあらゆる可能性が提示されている(翻訳:片山幹生氏)」と評された演劇空間を野外で体験していただく機会が、これほど早く巡ってくるとは、嬉しい限りです。
昨秋に行われたKAAT神奈川芸術劇場版も大成功でしたが、
野外ではリング全体が夜空に開かれた「窓」となります。
宇宙との交信、というと何やらオカルトめいていますが、
演劇の持つ原始的な体験がそこにはあるのです。
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普段演劇をご覧にならない方にもぜひ観ていただきたい作品、体感していただきたい空間となっています。
詳しくはこちらまで
http://www.spac.or.jp/15_yagai_mahabharata.html
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アヴィニヨン演劇祭(2) [舞台空間デザイン]

先週末、アヴィニヨンから帰国しました。
無事に初日を見届けることができましたが、
ギリギリまで本当にいろいろなことが起こりました。

アンテルミタンのストライキによるフェスティバル中止の危機は回避できましたが、
4日に限定的ストライキが行われたおかげで仕込みがストップし、
以降は連日深夜を超えて早朝まで準備が続きました。

そして初日前日のリハーサル直後に襲来した豪雨(+雷)により、
会場までの山道が通行不能となり、無念の公演中止。
20年以上の石切場の歴史の中で公演中止は初めてのことのようです。

それでも気を取り直し、豪雨によってダメージを受けた舞台や衣装、小道具を修復し、
新たな雨対策も施して7月8日に一日遅れの初日が無事に幕を開けました。

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(撮影:新良太)

1000人の観客席が埋め尽くされ、
どの顔もこの公演を心待ちにしていたという期待感でいっぱい。
その光景を目にしただけで、ようやくここまで来たか、という感慨で胸がいっぱいになりました。

午後9時過ぎに日が暮れ、夕闇が徐々に濃くなって、
月明かりが舞台を照らし始めた午後10時、
舞台正面に設けられた演奏舞台に並んだ演奏者(俳優)達の、
全身を叩きつけるようなパーカッションで幕が開けたその瞬間、
全身に鳥肌が立ちました。
リハーサルで何度も繰り返してきた場面ですが、
満場のお客様とともに共有するその瞬間は全く違うものでした。

客席の3m頭上に浮かぶように設けられたリング状の舞台に、
そそり立つ岩壁を背景に絵巻物のように神話の登場人物が現れては消えていきます。

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2時間足らずの公演はあっという間に終わり、
最後の演奏者がただ一人残り、
魂を込めたパーカッションの最後の一音が岩壁にこだました後、
割れんばかりの拍手とともに、総立ちのスタンディングオベーション。
それはおそらく、一生忘れられない幸福な瞬間でした。

この機会を与えてくれた全ての人、
一緒に造り上げたすべての仲間、
この場を共有してくれた全てのお客様に深く深く感謝いたします。

※今回の公演の空間デザインについては下記サイトにて詳しくご覧いただけます。
 随時写真も追加していきますのでご覧ください。
http://www.kiz-architect.com/works/mahabharata2014/

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アヴィニヨン演劇祭 [舞台空間デザイン]

アヴィニヨンに到着しました。

今回の「敷地」は
ピーターブルックが「マハーバーラタ」上演のために何年もかけて探し当てた、今はもう使われずに打ち捨てられた石切場の廃墟です。

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20メートル以上の高さの崖に3方を囲まれた、
この壮大な空間は、人を寄せ付けない荒涼とした空気に満たされています。

ピーターブルックの「マハーバーラタ」は20世紀演劇史に残る事件となり、以来この会場は演劇祭のメイン会場の一つとなっています。
ブルック版「マハーバーラタ」がそうであったように
この空間には、人間の愚かさや自然の厳しさを謳った叙事詩や悲劇と言った作品がよく似合います。

ですが、SPAC版の「マハーバーラタ」は自然の豊かさを謳い
愚かさを克服する人間を祝福する祝祭劇です。
砂漠のような虚無感に満ちたこの場所に、
豊かな実りに満ちた東洋的な宇宙観を表現するための空間デザインが必要とされたのです。
それはとても大きな挑戦です。

これからお見せすることになる、空間デザインは演劇空間としてはこれまでに例のないものとなるはずです。

世界中から来た人々がどう感じ、この空間がどんな空気に満たされるのか、
今からワクワクしています。
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地点×KAAT公演 『悪霊』の舞台デザイン [舞台空間デザイン]

今月、横浜のKAAT神奈川芸術劇場にて行われる
地点『悪霊』の舞台美術を担当しています。

地点の演出家、三浦さんとは
2012年12月東京芸術劇場での地点公演『光のない。』で
初めて一緒にお仕事をさせていただき、
その後、劇団地点の本拠地、京都のアトリエを設計させていただいています。

『悪霊』、ドストエフスキーです。大作です。

気鋭の演出家三浦さんとのコラボレーションは刺激に満ち、
仕込みの作業も大詰めを迎えています。
本番を迎えるのが今から楽しみです。
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京都まではなかなか行けないが、地点は見ておきたいという方、
横浜へぜひ!
詳しい公演情報はこちら
http://www.kaat.jp/d/akuryo#.UxV6zD9_s40
地点特設ブログでは進行中の稽古の様子も報告されています。
http://chiten-kaat.net/blog/

KAATは恩師である香山先生の設計の魅力的な劇場というのも訪れる楽しみの一つです。
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SPAC公演『黄金の馬車』 空間構成という仕事 [舞台空間デザイン]

6月1日(土)から始まる
劇団SPAC公演『黄金の馬車』の空間構成を手がけています。

空間構成
とは聞きなれない言葉かもしれませんが、
現在、SPAC(静岡県舞台芸術センター)の芸術監督である宮城聰さんが主宰されていた
劇団ク・ナウカシアターカンパニーで
10年近くお仕事をさせていただく中で、使い始めました。

私の仕事は、
衣装、照明、そしてもちろん役者さんが創りあげる劇世界の
空間を用意するというもので、
一般的に使われている舞台美術とは若干異なるかもしれません。
ク・ナウカシアターカンパニーでは
野外劇場やそもそも劇場ではない場所(庭園・神社の境内、邸宅内など)で
公演をすることも多く、
舞台上だけではなく、どこに客席を組むか、なども含め、
劇空間を生み出すための空間を作っていくことが私の仕事でした。

今回は「有度」という野外劇場での公演です。
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日本を代表する建築家・磯崎新氏の設計による
世界に二つとない、森に包まれた劇場を
再構築する様な空間構成にチャレンジしています。

舞台に関わって20年以上になりますが、
急いで作って、公演が終わるとすぐに壊されていく一瞬の発光のような舞台の仕事は
人間より長い年月を経ていく建築の仕事とは真逆の性質のものでありますが、
非常に刺激的で、設計にもいい影響を与えてくれていると思います。
店舗設計のような「見せる」空間づくりにも
この経験が活かせているような気がします。

公演詳細やチケットなどは、劇団のホームページをご覧ください。
http://www.spac.or.jp/f13goldencoach.html

6月1日からの22日まで、毎週土曜日の全4回公演です。
週末の夜、静岡で、非日常を体験するというのも、刺激的な過ごし方ではない
でしょうか。


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『マハーバーラタ』パリ公演 [舞台空間デザイン]

SPACフランスツアー『マハーバーラタ』パリ公演が、
大盛況で無事公演を終えました。

この公演はケ・ブランリー美術館のオープン記念公演で上演したのが6年前。

今回、ステファヌ・マルタン館長から
「これまでの6年間にこの(美術館に付属の)劇場で上演された作品のなかで、
『マハーバーラタ』ほどこのジャン・ヌーヴェルの建築の特性を活かした作品はない」と
お誉めの言葉をいただいたそうです。
空間デザイナーとして最高に嬉しい誉め言葉です。
http://spac.or.jp/blog/?p=12158

ケ・ブランリー美術館は、ルーブル、オルセー、ポンピドゥーに続く第4の美術館として
建築界の巨匠、ジャン・ヌーヴェルが設計を手掛け、
半地下の庭園に面した劇場は、うねるような形態のすり鉢型の空間で、
ちょっとやそっとの空間処理では、その空間を使いことは難しいのです。

6年前、現地スタッフとの打ち合わせに大きな模型を日本から持ち込んだことを思い出します。

客席に舞台を浮かせ、舞台上にも客席を組むという大胆なプランに
信じられないというような顔をして
「どうして普通に舞台を使わないのか?」と
渋い顔をする美術館の職員たちを前に、
「これが、ジャン・ヌーヴェルの建築を活かしきる空間構成だ!」
と大見えを切って押し切ったのですが、
こうしてたくさんの評価をいただき、嬉しい限りです。

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(写真は初演の舞台です)

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